ESTATE GUIDEエステートガイド
親族間において、無償で土地を貸したら、借地権が発生するのでしょうか。
「借地借家法の適用がある借地権」、すなわち「借地権」が発生するためには、単に「土地を貸す」だけでは不足です。「借地権」が発生するためには、1つは「建物所有目的」でなければなりません。さらに、もう1つは「賃借権又は地上権」でなければなりません。いくら「建物所有目的」があっても、「使用貸借契約」からは「借地権」は生じないということです。「無償で貸す」場合は、2つあります。1つは、「使用貸借契約」という「債権」に基づき、無償で貸す場合です。もう1つは、「地上権」という「物権」を設定し、無償で貸す場合です。そして、前者の「使用貸借」であれば、「借地権」は発生しませんが、後者の「地上権」の場合は「建物所有目的」があれば「借地権」が発生します。後者のような強い「地上権(物権)」設定契約があったといえるためには、そのような内容が記載された契約書が存在したり、登記があるとか、その他の諸事情が必要と考えられます。親族間においては、契約書などが存在しないことが珍しくありません。しかしながら、将来の紛争を避けるためにも、きちんと契約書を交わしておくことが重要です。