ESTATE GUIDEエステートガイド
定期借家契約(2年)で建物を貸していますが、賃借人に終了通知をしないまま期間満了になりました。この場合はどうなりますか。
法律では「期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6か月前までの間に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない」としています。従って、期間2年の契約ですから、満了の1年前から6か月前までに上記の通知を賃借人に出す必要があります。期間満了の6か月前までに通知を出さなかった場合ですが、3か月前になって上記の通知を出した場合には、期間の満了の日には契約は終了しませんが、通知を出した日から6か月後(期間満了から3か月後)に契約は終了することになります。問題は、期間満了後に通知を出した場合です。
期間後でも通知を出せば、6か月が経過すると契約は終了するという裁判例があります(東京地裁平成21年3月19日判決等)。ただし、これらは、期間満了後1か月から4か月後に通知を出した事案です。もしも、期間満了までに通知を出さず、その後も、賃料を受領しながら契約終了の通知も出さず、1年も経ってからようやく通知を出したような場合は問題です。定期借家契約から通常の賃貸借契約に切り換えることに合意した(黙認した)と裁判所に判断される可能性もあると思います。